
今回の記事では、ヤードの角度調整のコツを詳しく解説します。
帆のリアルな丸みの出し方や、ロープ(索具)をたるませずにキレイに仕上げるプロ直伝の技もまとめました。
「風をはらんだカッコいい帆船に仕上げたい!」という方は、ぜひ参考にしてみてください。それではどうぞ!
《 ヤードの角度調整とブレースの張り方》
■帆船模型の見せ場
ヤード(帆桁)の角度調整
まずは、マストの上3本から伸びるブレースランナー(転桁索)を張っていきます。
このロープを引っ張る加減によって、ヤードの「角度」と「水平」を同時にコントロールし、理想の向きへと調整していきます。
💡 キレイに仕上げるための重要ポイント
- 左右のバランスを意識する:片方だけを強く引きすぎず、ヤードが綺麗な水平を保てているか、正面や上からも確認しながら少しずつテンション(張り)をかけましょう。
- ロープの絡まりに要注意:このエリアは多くの索具が集まる難所です。ロープの集合部が互いに絡まないよう、1本ずつラインの通り道を確認しながら慎重に通していくのがコツです。

⚓ 帆桜船長のこだわりポイント!
今回は、ヤードの角度を「右舷ギリギリ」まで思い切って傾けてみました!
真っ直ぐに張るよりも、こうして限界まで角度をつけることで、大パノラマの海を猛スピードで突き進んでいるかのような圧倒的な躍動感が生まれます。
みなさんもお気に入りの帆船を作るときは、ぜひ自分だけの「最高の角度」を探してみてくださいね。
■ブレースランナーブロック取付 ビレイピンへの綺麗な結び方
ヤードの角度が決まったら、次はブレースランナーの下側にブロックを取り付ける工程です。
ここを美しく仕上げるために、我が造船所が実践している2つの重要テクニックをご紹介します。
🔧 テクニック1:ブロックの長さをピシッと揃える
吊り下げるブロックの長さは、なるべく均等に揃えるのがポイントです。
長さがバラバラだと視線がブレてしまいますが、きれいに揃えることでメカニカルな精密感が引き立ち、ロープ単体が目立たず船体に見事に馴染んでくれます。
🔧 テクニック2:結び目はビレイピンの陰に隠す
甲板のビレイピン(索止め)に白いロープを固定する際、結び目がピンの陰に隠れるように結ぶと、仕上がりの美しさが劇的にアップします!
■まさにクモの巣…!張り詰めた緊張感の中で起きた大アクシデント
ロープワークが続き、マスト周辺の密度はまさに「クモの巣」状態……@@
どこを見ても黒と白のラインが複雑に入り組んでいて、一瞬でも目を離すとどのロープがどこに繋がっているのか分からなくなるほどの超難所です。

アチャー‼やってしまった。
息を止め、ピンセットとハサミを駆使して作業を続けていたその時、大事件が起きました。
「よし、作業が終わったから余分な糸をカットしよう」そう思ってハサミを入れた瞬間、パチン。
……あっ⁉ なんと、切るはずの余り糸ではなく、せっかく綺麗に張り終えた手前のブレースランナーを間違えて切ってしまいました‼
写真の中で無情にもダランと垂れ下がっているのが、その切断されてしまったロープです……。
帆船模型を作っている方なら、一度はこの「頭が真っ白になる絶望」を味わったことがあるのではないでしょうか?
《クリューライン・ダウンホール》
クリューラインとダウンホールの取り付けです。
ここで白いロープを張ることで、帆(セイル)全体の立体的な丸みをさらに綺麗に整えていきます。
ここでもヤードが左右に不自然に傾いていないか、全体のバランスを細かくチェックしながら調整します。
前回の記事で、帆に丸みを付けてあるので、簡単にふくらますことが出来ます。
そしていよいよ、このマストの締めくくりとして、ロアヤードを取り付けます。
上から下まで、ずらりと帆が揃うと まさに太平洋の白鳥、圧巻の美しさです!
《 ヤード角度調整(その2)》
■ ヤードへのブレースランナーとブロックの結合
ここからはロア、ロアトップ、アッパートップといった各ヤードへの工作です!
3本のヤードにブレースランナーを結び、小さなブロック(滑車)を細かく結合していく緻密な作業が待っています。
ここで重要なコツですが、説明書に書かれているロープの長さはあくまで目安にしてください。
きっちりその通りに切るのではなく、実際の帆の角度をじっくり見ながら現物に合わせて、長さを調整していきましょう!

⚓ 船長のアドバイス:ブロックの長さを揃えるべし!
上のヤードと同様に、吊り下げるブロックの長さはなるべく均等に揃えるのが、仕上がりを美しく見せる最大の秘訣です。
ブロック自体は指先でつまむのも大変なほど小さなパーツですが、じつは「小さい割りに、もの凄く目立つ」のが帆船模型の奥深いところ。
一本ずつ丁寧に長さを揃えて、全体の美しさをさらに引き出していきましょう!
ルートが非常に複雑に絡み合っているため、頭が混乱しそうになります。ここは焦らずに、説明書を【要確認‼】しながら慎重に進めていきましょう。
ロープをビレイピンから、一度 ブームキンのブロック(滑車)に通し、そこからさらに各ヤードの ブロックへと繋いでUターンさせ、最終的にブームキンへと結束していきます。

■ 圧巻の大パノラマ!ついに、もうすぐ完成へ‼
どうですか、この佇まい!帆の角度、美しい丸み、そして複雑なロープ群も、すべてが完璧にキレイに張れています。
あんなに厄介だったパーツの取り回しや、気の遠くなるような結束の忍耐を乗り越えて、ついにここまで辿り着きました。
本当に言葉を失うほどのカッコよさです。さあ、もうすぐ完成でーす‼
第7回のまとめ(帆桜船長の制作アドバイス)
ヤードの角度調整: 帆船模型の一番目立つところです。上から横からよく確認しながら、慎重にロープを張りましょう。
ブロックのこだわり: 小さい割りに目立つパーツです。長さを綺麗に合わせながら、一番カッコイイ場所で結びます。
拡大鏡の落とし穴: 拡大鏡をかけていると手前が見えていません。ハサミ等で誤って他のロープを切らないように注意しましょう!
ロア・ロアトップ・アッパートップヤードヤードの往復: ブレースランナーはロープを往復しながら張っていきます。ブロックに 二重に通す部位もあるので、間違えないように説明書は要確認‼
以上で、帆の角度調整の内容を終わります。
最後までご覧下さいまして、ありがとうございました。
次回の第8回は、いよいよこの製作記の最後の記事(最終回)となります。
最高にカッコよく完成した日本丸の姿はもちろん、最後に飾るための「ステキな飾り物」もご紹介していますよ。どうぞお楽しみに!
それでは、また次の港でお会いしましょう。








